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今回の名言、名やりとり 松岡「要は初級からやろうってことやろお前!そう言えやボケが!このクソ!白鳥麗子が!」 三村「最後なに?」 松岡「白鳥麗子やんか」 三村「あぁ…。え〜とりあえず説明してもよくって?」 松岡「ごめんな俺のせいやな」 松岡「(頭に)虫わいとんのか?」 三村「何種類か」 三村「橋本!」 松岡「お手元!」 三村「橋本!」 松岡「お手元!」 三村「橋本!」 松岡「お手元!」 三村「(本のタイトルは)お手元著の『橋本』です」 -- 名無しさん (2009-07-03 09 38 36) 名前 コメント
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タイトルからインスパイヤ! 今年流行した身内での流行語を投票してもらいます。 期間としては12/10~12/11まであたりと考えています。 †ルール† 1、用語を増やしたい場合は#voteの括弧の中にカンマ「,」で区切って追加してください。 2、投稿ペースはお任せします。自作自演可能。 3、一度追加した用語は消さないように。 4、他随時追加。 選択肢 投票 すいませんっ!ついっ!! (27) ブーン⊂二二二( ^ω^)二⊃ (60) W役満 (7) ついでに天をとれ (4) ツンデレ (23) 寺尾 (4) 田中 (2) ひらむぎ (3) 泣きたくなるような配牌…っ (33) に……にいさん… (4) スクリーンショット『SS』 (4) タミ5 (5) ルイージクオリティ (3) 11話 (18) ルイージ (4) ドラ12 (2)
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神なんていなかった ばさっ。 毛布を跳ね除けて飛び起きた。体中ぐっしょりと汗をかいている。 震えが止まらない。落ち着け。落ち着け。違う。死んでなんかない。 赤い糸の束、海面に注ぐ月光、とどかない指、落ちるひこうき、千切れる意識。 違うちがうちがう。頭を抱えて蹲る。波の音が響く港町、月の夜。 這いずるようにして毛布を抜け出して、空気を求めて外へ駆け出した。 夜の海で、波は真っ黒い巨大なうねりになって防波堤に押し寄せる。 ぐるっと回って砂浜に下り、震える指でアークを一本摘まんで――ライターが無い。 ため息を吐いた。汗を含んだ髪を掻き揚げて、どうしようもなくしゃがみこむ。 「……≪03≫」 亡霊のように目の前にちらつく愛機の残骸。スクラップになったひこうき。 だから海が怖かったのか。そんなことも今更気付いた。ずっと忘れていた。 自分が何であるか、やっと、 がちっ、と撃鉄を上げる音がした。 硬い感触が後頭部に当たる。振り向かなくてもわかる。左手を上げた。右腕は上がらない。 「No/03?」 「…ああ」 かつての名前。波の音だけが静かに響く、なんていいタイミングで。 名前を呼んだのは、若い女の声だ。 「No/05――凰羽。癖が直っていないな、はっきり判ったぞ、殺意」 彼女は笑った。 「ハナから貴方を殺すつもりで近づいたんだもの。ここ2ヶ月くらいずっと上空から監視してたのよ。 街がおかしくなったところで知ったことではないわ、私たちには」 「何の用だ?」 背中を、先ほどとは違う汗が伝う。 「言ったわよね、貴方を殺しにきたのよ。あの機体に関わった者を生かしてはおけないの」 ソラは黙って振り向いた。動いたソラを凰羽は睨みつけたけれど、ソラは拳銃に手を添える。 「そんなに震えた手で撃てるものか。人を撃つのは――」 言うなり鮮やかに凰羽の手から拳銃を奪い去り、目にも留まらぬほどの早業で立て続けに撃ち放つ。 あちこちで小さな悲鳴が上がった。凰羽は俯いたままそれを聞いている。 「こうするんだ」 弾を撃ちつくした銃を捨て、ソラは凰羽の頬に触れる。 「もう、本当のことを言ってもかまわない。」 ソラを殺すためだけなら監視など悠長なことをしていないで、スナイパーを雇えばいい話である。 凰羽は泣きそうな目をしたけれど、気丈にも泣かずにソラを見た。 「…何度も捜したわ、貴方が堕ちた場所を…でも貴方は見つからなかった」 ソラは目を閉じる。 「病院の筋から、ミオに居ることがわかった。まさかジムリーダーのパートナーになっているなんて… 強引に連れ出せば警察沙汰、私は待ったわ、機会が訪れるまでずっと! でもやっと見つけた貴方は、全部忘れていたのよ! こんな酷い話があって!?」 「……凰羽」 「同じ意味の名を名乗っていたから、気付かなかったのよ…あのジムリーダーがつけたの?」 「…ああ」 凰羽の白く細い指が、ソラの右腕に触れた。傷を辿るように。 「シエル、お願いがあるの。聞いてくれる?」 ああ、それは何時ぶりに聞いた名だろう。今となってはもう、彼女と自分以外知るはずも無い彼の名。 震えている、凰羽の細い肩。背中から生えた美しい銀翼。そっと抱きしめる。 「私を組織から連れ出して」 「………」 「もう嫌よ! あんな汚い人間どもの狗で居るのはもう嫌ぁッ!!」 「…凰羽」 ソラの胸に縋りつくようにして悲鳴を上げる。 ソラは一瞬、ひどく苦しそうな顔をした。しかしそれはほんの一瞬のこと。 凰羽の腕を振り払うようにして、抱擁を逃れる。 「…シエル、」 「俺はもう、その名を捨てた身だ。先刻、監視は全員殺した。どこへなりと逃げるがいい。」 「シエル!」 「俺はソラだ。二度とその名で呼ぶな」 立ち尽くす凰羽を置いて、ソラは背を向けて歩き出す。 何も聞こえない。聞こえない振りをしろ。あの場所へ帰れば、もうここへは戻れない。 平穏の中で生きていくことに慣れてしまった今へは。 「……じゃあ、最後にひとつだけ…いい?」 「何だ」 「もう一度だけでいいから…私を恋人にしてくれる?」 ソラは無言で立ち止まった。凰羽も黙って彼に駆け寄る。 わかっていたの あなたが私を連れ出してくれるはずがないことぐらい でも期待してた まだ私を思ってくれているんじゃないかって 一度だけでいいの もう二度となんて求めないから おんなはそれだけで生きていけるものだから だからあなたは帰って頂戴 あなたを恋した人のところへ さようなら私のシエル 永遠にさようなら。
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あなたの愛した世界 あなたの愛した世界 アーティスト 南條愛乃 発売日 2014年11月5日 レーベル ジェネオン・ユニバーサル デイリー最高順位 2位(2014年11月8日) 週間最高順位 6位(2014年11月11日) 月間最高順位 15位(2014年11月) 年間最高順位 153位(2014年) 初動売上 7407 累計売上 10810 収録内容 曲名 タイアップ 視聴 1 あなたの愛した世界 グリザイアの果実 ED 2 Dear×Dear ランキング 週 月日 順位 変動 週/月間枚数 累計枚数 1 11/11 6 新 7407 7407 2 11/18 17 ↓ 1407 8814 3 11/25 ↓ 814 9628 4 12/2 630 10258 2014年11月 15 新 10258 10258 5 12/9 349 10607 6 15/1/6 203 10810 グリザイア ED 前作 次作楽園 あなたの愛した世界 黄昏のスタアライト 関連CD 楽園の翼 君が笑む夕暮れ Shangri-La Shower 永遠フレンズ
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シノビガミ「忍の証明。要塞の真実。」 【概要】 アメリカが太平洋中央に秘密裏に建造した大型要塞「黒真珠」を破壊するシナリオです。 最深部に眠る動力である飛行石を破壊し、見事、敵の女司令官(敵の目前で舌なめずり系)に 吠え面を書かせるのは何処の忍軍でしょうか? ……まぁそこはシノビガミ。まともな終わり方はしませんけどね。 【今回予告】 今回予告 「戦争は、武器を使ってやる外交であり、外交は、武器を使わないでやる戦争である」 かつて誰かがそう言った。外交下手な日本政府の依頼の元、忍びたちは夜の太平洋を駆ける。 ……友好国の要塞を破壊するために。 シノビガミセッション「忍びの証明、要塞の真実」 ……なお、海を走るくらいは忍者だと余裕でできます。 【内容】 大型要塞の破壊を行うというシナリオです。 表向き友好国なアメリカの秘密要塞を破壊するという内容ですが、 実は既にアメリカから破壊許可はおりています。 (というか破壊依頼を出したのがアメリカの『CIA極道』です) 渡来人と呼ばれる異界から来訪した怪物の手により、 既にこの要塞は強大な殺戮兵器に生まれ変わろうとしています。 それを止めることにより、日本政府はアメリカ政府に貸しを作ろうとしているのです。 PC達はそんな事実を知らされず、捨て駒として送り込まれるというのが真実です。 導入は一同を集めて依頼を出す形で良いでしょう。 ドラマパートの前に太平洋で走らせるシーンを作り、 お互いの居場所や感情を取らせることをおすすめします。 ドラマパートでは要塞に侵入しているというシュチュエーションのため、 こっそりと行動させたり雑魚を洗脳するといった要素が多くなるでしょう。 普段できないような外道プレイをどんどんさせてあげると良いでしょう。 クライマックスは飛行石が浮遊している動力室での戦いです。 ここは女司令官の他に「飛行石」が常にプロット3で浮遊しています。 この戦いでは飛行石を破壊してもクリアとなるのです。 ……敵の心配するより前に同士討ちを警戒しましょう。 【データ】 「飛行石」 生命点10 所持特技《生存術》所持忍法『金剛』回避不可 「女司令官」 上忍相当(隠忍の血統、凶尾) 所持特技 器術系「絡繰術」謀術系「対人術」 戦術「用兵術」妖術系「異形形化、召喚術、憑依術、幻術」 所持忍法 獣化(異形化) 魔空(幻術) 血旋禍(異形化)逆鱗(指定特技:対人術) 頑健(装備) かばう(指定特技なし) 奥義 範囲攻撃 絶対防御 背景 隠れ家(長所1点)、感情の欠落(短所1点忠誠を指定) 所持忍具 兵糧丸×1 神通丸×1所持。 【ハンドアウト】 PL1 指定、ハグレモノ 使命「要塞を破壊する」 「本来君はここにいるような忍びではない。だが依頼額は莫大であり、 もし断ったら追手がかかることは間違いない。君は渋々『要塞を破壊する』依頼を受けることにした。」 PL2 指定、比良坂機関 使命「要塞を破壊する」 「比良坂機関は日本政府のために存在し、日本政府の国益となるための期間だ。 ならば日本政府の『要塞を破壊する』依頼は絶対にこなさなければならない」 PL3 指定、斜歯忍軍 使命「要塞を調査する。後一応破壊する」 「この依頼が来たとき君は狂喜乱舞した。アメリカの秘密要塞とあらば、 斜歯忍軍といえど知らない技術がたんまりとあるに違いない! 一応日本政府の依頼はこなす必要があるが、少しはお目こぼしもあるだろう」 PL4 指定、私立御斎学園 使命「依頼を達成して卒業試験に合格する」 「君は学園の落ちこぼれだ。・・・しかしそんな君に破格の依頼が回ってきた。 もしこの依頼に成功すれば卒業してもいいらしい!何が何でもこの依頼成功させねば」 【秘密】 飛行石: この石を破壊した場合、即座に要塞は崩れ落ちる。これは予め準備していなかった場合、 忍者の足を持ってしても逃げ切ることは出来ないだろう。 この秘密を知った段階で、宣言するだけで脱出準備ができたことにして良い。 なお、崩壊に巻き込まれた場合は「1d6点の射撃ダメージ」を受ける。 (ついでにここでパイルバンカーのキ-ワード回収) 女司令官: あなたは既に心身ともに渡来人に支配されている。もし元に戻るならばあなたに 「愛情」の感情を持つキャラクターからの奥義を受けなければならない。 渡来人: シナリオギミック。意識体のみで動いている渡来人。現在は女司令官の体を借りているが、 もし追い出されたら即座にこの世から消えるだろう PL1: 君は本当は依頼なんてどうでもいい。嘗て孤独だった君に唯一優しくしてくれた女性。 彼女が今何者かの手で操られている。君は彼女を救うためにこの依頼を受けたのだ。 君の本当の使命は「女司令官を開放し、自分の元に再び戻す」事だ。 PL2: 君はこの依頼の本当の意味。そして安易に飛行石を破壊したら何が起きるかを知っている。 忍者の足を持ってしても逃げられない崩壊。うまく立ち回れば、他の勢力の弱体化を図る事が出来るだろう。 君の本当の使命は「要塞を破壊し、最低一人要塞の崩壊に巻き込むこと」だ PL3: 君はこの要塞には「飛行石」という伝説の忍具があることを知っている。要塞の破壊は頼まれたが、 コレを持って帰ってはいけないとは聞いてない。さぁ再考の研究素材を手に入れよう。 君の本当の使命は「飛行石を壊さずに持ち帰る」事である。これは妨害する人間がいなければ宣言だけで大丈夫だろう。 PL4: 君は本当は落ちこぼれではない。君の本質は抜け忍を抹殺する誅殺部隊、「学園風紀委員会」の一員だ。 今回君に委員会から依頼された内容は「日本を狙うOGの誅殺」。幸いな事に彼女はあの要塞にいる 君の本当の使命は「女司令官を誅殺すること」だ。邪魔するものにも容赦はいらない。 【キーワード】 ふぁ!?→吠え面 prpr→敵の目前で舌なめずり系 バルス→飛行石、絶対領域→高飛車系のお姉様には必須(女司令官に装備) ファミリーマート→黒真珠の中で営業しています。 パイルバンカー→全てを破壊する ベルリンの壁→大型要塞「黒真珠」
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「さぁて。それじゃまずはどうしましょかね。有希、冷蔵庫見せてもらっていい?」 一拍置いて、 「いい」 長門が答える。やっぱりぎこちないな。 「うん。それじゃちょっと失礼するわ……って、有希? ほとんど何にもないじゃないの!」 もちろん長門に呼びかけているのはハルヒである。その様子はテストでよろしくない点数を取ってしまった息子を叱りつける風でもあり、俺はこいつの息子でもないのに何やら胸がチクリとする。 「うーん。買出しに行く必要があるわね。って言っても、今あたしあんまり持ち合わせがないのよね」 ハルヒは自分の財布を取り出して中身を確かめた。突然俺に眼光が向けられる。何だよ。 「キョン、あんた、あたしたちに借りがあるわよね?」 何のことだか。それにその話を持ち出すのは反則じゃないのか? 「心配料よ。何なら医療費でもいいわ。あんたはたった今までそこでノビてたんだからね」 なんちゅう理屈だ。阪中や喜緑さんの相談からは金を取らないくせに、俺からは取るのか。 「うだうだ言ってんじゃないわよ。そんなこと言ってるとあんた今晩夕食抜きよ」 必殺のカードを切るハルヒであった。くそ、そう来やがったか。 「しょうがないな。分かったよ。俺が出しゃいいんだろ」 こんな時に限ってこづかい支給日直後だったりする俺はとことん運に見放されているね。 神々に事務係がいれば俺の運命係数をもうちょっとだけ上方修正してくれないもんだろうか。粉飾と呼ばれない程度にさ。 長門を見ると不思議そうに(見えたのは俺の錯覚だな)俺とハルヒの中間に視線を固定している。そこに人類が未だ発見していない情報意識体や何やらが見えるかのようだ。 「それで、誰が買い出しに行くんだよ」 俺の言葉にハルヒは片眉を吊り上げるというおなじみの仕草をして、 「料金を持つあんたとあたしは決まりね。あとは、そうね、みくるちゃん」 「ふぇっ、は、はーい?」 何やら物思いか思案に暮れていたご様子の夕方の女神、朝比奈さんは忘れていた新聞料金の徴収がたった今やって来たかのようにあわてて答えた。 「あなたも来てちょうだい。有希、悪いけど留守役頼んでいいかしら?」 片手を詫びの形にしてハルヒは長門に言った。留守役も何も、もともとここは長門の家だろうが。 長門は一度俺に無感動な視線を送ってから、 「いい」 と言った。しかしまぁ、こいつのこの反応ももう少しどうにかできないものかと訝る俺である。 「有希の話だとこの近くにスーパーがあるって話よね」 ハルヒは春うららかな夕方の空の下、さっき長門から聞いた言葉を復唱するように言った。 俺としてもこいつが妙な行動に走らないよう見ている必要がある。まるで生後数年の子どもを見守る父親であるが、はてさっきは子どもで今度は父親とはこれまた奇なものであるな。 ハルヒは俺たちを先導してどんどん歩き出す。この組み合わせはいつかの映画撮影の一時を思い出すね。思い出した くもない記憶、と俺はもう思わない。過ぎちまったことだからかもしれないが、あれだって何だかんだ楽しかった。 「朝比奈さん、大丈夫ですか? 何かさっきから上の空ですけど」 朝比奈さんは口元に軽く閉じた片手を当ててなお沈思黙考の様相を呈していた。そりゃこの人にとっても考えることだらけだろうな。こんな状況だし。 でもまぁ、と俺は思う。逆に言えばこんな状況もそう滅多にない。俺とSOS団女子ユニット三名がつかの間の晩餐を共にする、なんてのはな。ならばもうちょっとくつろぐべきなのだろう。長い日々の、これはきっと休息だ。それを各々がどこまで分かっているのかはともかくとして。 「え? キョンくん今何かあたしに言いましたか?」 10秒くらいは経過していた気がする。朝比奈さんはようやく隣に人がいたことに気付いたように言った。 しかるに俺はこう諭してみるのだった。 「朝比奈さん、もうちょっとだけ気持ちを楽にしませんか? 色々考えることがあるのは俺も一緒ですけど、だからこそ、こういう時だからこそ反対に楽しくしてることが重要なんです」 俺は慣れないスマイルを浮かべたつもりだが、はて彼女に伝わっているだろうか。古泉に一度本気で良質笑顔養成講座を開いてもらおうか。 朝比奈さんは大きくつぶらな瞳をさらに見開いてぽかんとしていたが、やがて俺と同じように、 「そ、そうですよね……うん。あたし、もっとしっかりしなくちゃって、そればっかり考えてて」 俺はかつての彼女の涙を思い出す。それだけでこのお方の気持ちは痛いほどに伝わる。ハルヒさえここにいなければ肩に手を回して白薔薇の一輪でも差し出してあげたい心境である。 「あ、着いたみたい! さぁ、さっそく買い物よ!」 袖まくりまでしてずかずかとスーパーマーケットに乗り込むハルヒである。あぁ、お前、いいかみさんになるぜ。 空に向かって吹くような心地よい春風に大いにあおられつつ、俺はのん気にそんなことを考えた。 ……買いすぎだろ。いくらなんでも。 一夜限りの臨時合宿のはずだぜ。四人分ということを考慮して、さらに朝比奈さん以外は全員が人並みかそれ以上に食べるとしても、この量はどう考えたって多い、つーか、俺の財布は冬に舞い戻ったかのように瞬間冷凍マイナス180度だ。人の金だと思ってハルヒめ。 「たっだいまー!」 ハルヒは出かけるときの何倍も威勢よく長門宅の玄関ドアを開けた。 後に続くはサンタクロースもびっくりの大入袋を抱える俺、何度も「あたしも持ちます」と心配りなさってくれた心優しき朝比奈さんである。 靴くらい揃えろ、と思わずツッコミを入れてしまう俺に見向きもせずにハルヒはキッチンに向かう。ねぎらいの言葉もなしに巨大な買い物袋を持って。やれやれだな。この言葉はもはや特定の状況下における通例句か挨拶である。 「何作ろうかしらねー」 半分以上呆れの面持ちをしている俺の対面に、ハルヒと朝比奈さんと長門が並んでいる。 よくエプロン三人分あったな。朝比奈さん激似合ってます、今すぐ嫁に来てください。ハルヒも悔しいが様になってるじゃねぇか。長門もこれはこれでなかなか趣が……って俺は何コスチューム評論家をしてるんだっ! ツッコむべきところはそこではないのだ。 「何作るか考えてなかったのかよ」 ここである。そりゃ買い物袋もブラックホールになろう。俺のなけなしの持ち合わせもカウントゼロに漸近するさ。 「当たりまえじゃない。だって、何が出来るか分かってたら、つまんないでしょ」 この発言によりこいつはめでたく家計を任せてはいけない女暫定一位に確定した。いやめでたい。そんな場合じゃない。 「あんたは有希のうちの掃除をしてなさい、いいわねっ!」 ここに来てハルヒ、絶好調である。わーったよ。どうせ異論は認めらんない、だろ? あたしたちが料理してるのに男が何もせずのんべんだらりと完成をまってるなんていけすかないわ! みたいなことを言うハルヒをリアルに想像できちまう俺はさながら妄想末期患者か? まぁ、男性も家事育児に参加すべきという世間的風潮には俺も同意するさ。 男尊女卑なんてのはつまらん慣習だ。SOS団は女尊男卑になってる感が否めないのだがな。 眺めていたらさぞ和むだろう三名の夕食調理風景に半分ほどの別れを告げ、俺は掃除機片手に部屋をまわる。つか、掃除って普通午前中にするもんだろ? 夕方のまして調理中にするもんじゃねぇ。間違いない。そもそも長門に許可を得てなくないか? 成り行きでコンセントにプラグを差し込む俺であったが。 ブィィィィンと機械そのものな音を立てながら掃除機は床にほとんどなさそうなホコリやチリをそれでもグイグイ吸い込もうと駆動する。まずは俺がさっきまでノビてた和室だ。あの七夕には朝比奈さんと二人で三年間も寝てしまった和室である。あらためて感慨にふけりそうになってしまう。長門本人はもちろんだが、長門の家にもずいぶんと厄介になった。今やSOS団第二アジトといっても過言でも虚言でもない。 居間は後回しで俺は部屋から片付けていく。本当にさっき掃除したかのようにどこもかしこも小奇麗に片付いている。 トイレを終えて、洗面所。ここも物が少ない。……ふと、コップに歯ブラシが一本入っていることに気がついた。 さっき、朝比奈さんに楽しくしてましょうとか言っておきながら、ふっと青い色が胸をよぎる。 そうだったな、長門……お前は今、ひとりなんだよな。 俺は置いてきちまった色々を思って、それから今ここにいる長門のことを考えた。 もしかしたら、あいつは本当に今日掃除をしたのかもしれない。 訊いたって答えるかどうかすら定かじゃないが、そうしていたって不思議はない。 俺が入ったことのない部屋があった。いつもばたばたしていて気がつかなかった、玄関脇の小部屋。 そこは三面が上から下まで本棚で埋まっていて、隙間なく大小様々な本がびっしりと収まっていた。 俺は掃除機のスイッチを切った。並んでいる本を見渡す。本当に多種多用だ。これらすべてを読んだのだろうか。 一冊を手に取る。見覚えのある表紙。そして……栞。 何も書かれていない。 長門は一日の多くをこの家で過ごしている。 あいつにとって、今この時はどういう風に感じられるのだろうか。 雨が降ろうが嵐になろうが静謐を崩さない部屋に訪れる、いつもと違う、時間。 楽しく、か。 それが今のあいつには難しいってことくらいは分かっているさ。 でも、そう願ってしまうのは、俺に心残りがあるからだ。 俺は栞を元に戻すと、本をたたんであった場所に収めた。 掃除機のスイッチを押す。 「でーきたわよっ! 力作だわ! 三人分の情熱がこもってるって感じね」 すべての部屋に響き渡っているだろう明朗ボイスで、ハルヒはそうのたまった。 そして俺は呆れや脱力をすでに通り越し、感嘆すら通りすぎて安心してしまった。 ……。 やっぱすげぇよ。お前はな。 「なに変な顔してんのよ。さ、冷めないうちに食べましょ!」 オムライス、野菜スープ、ポテトサラダ、鳥のから揚げ、肉じゃが、ほうれん草のソテー、ピーマンの肉詰め、きんぴらごぼう、麻婆豆腐、etc……。 いくらなんでも作りすぎだとか言うつもりはなかった。……これでこそハルヒだろ? ちょっとしたブルーも何のその、真夏の太陽もびっくりのエネルギーと笑顔ですべてを吹き飛ばしちまうんだからさ。 「朝比奈さんはどれを作ったんですか?」 横にいた幼き上級生に俺は言った。さっきよりずっと元気そうに見える。 朝比奈さんはぽわんと微笑むと、 「えっと、な、内緒です! 食べてからのお楽しみで、ね?」 あなたにそう言われちゃもはや俺の胃袋もご相伴を待つばかりである。 だがその前に俺は長門にそっと訊いてみる。 「どうだった? 料理は?」 退屈しのぎくらいにはなっただろうか。 「……」 長門はやはり5秒以上の間を空ける。やがて、 「無為ではない」 ははは。なるほどね。そっかそっか。まぁいいさ、それでも十分だ。返事が聞けただけでも、な。 「みんな席について! はい、それじゃぁ」 いただきます そう。これはほんの一時、心安らげる休息なのだ。 だからこそ、くよくよしたりたわけた禅問答したりは、おあずけにすべきなんだ。 「おいハルヒ! 箸をはなせ!」 「何よ! 同じのたくさんあるでしょ!」 「これは俺が先に取ったんだ」 「いいえあたしの方が早かったわ!」 な、そうだろ? 長門、古泉。 「二人とも食べ物で遊んじゃだめですよ~」 「離せ!」 「あんたが!」 「……」 あなたたちと、夕食。 ―― ――エラーを検出。 (おわり)
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■I-B25F 全ての真実に気付いた場所 ※ネタバレありの項目です。閲覧・書き込みをする際にはご注意下さい。 世界樹の迷宮I・五階層B25F。 真実に気付いたというか、説明してくれたというか… しかもその下にまだ秘密が隠されているわけで。超展開の宝庫である B21~B24が建造物内なのに対してこちらは外。君はバスを発見することができるか 真実 → アーマービーストの攻撃力はさほどなんてモンじゃなかった B26Fへの階段はオールドゲーマーであるほど、見つけやすいのではなかろうか。玉座?の裏、という点以外にもマップのパッと見も某ラスボスの城1Fに似ている気がする。 似ているというか、オマージュの域? 全ての真実→世界○の○はおしゃべりが好き バスに感動。乗りたいな。…いやまて、何故残っている。 バスでハイラガードへ行く為さ ヴィズル「サンライズのアニメを観てるとよく『原作 矢立 肇』というの目にすると思うが、そんな奴は実在しない。」ししょー「う、うそだ」 ヴィズル「巨人の星の作画といなかっぺ大将の作者は同じ人だ。」ししょー「ば、ばかな」 ヴィズル「実はまだゴキ○リだけは滅びずにこの階層をカサカサしてる」 ししょー「き、きゃああ!」 ヴィズル:「アボガドではない。アボ「カ」ドだ。」ししょー「ん?!」 ヴィズルさん「バスは私が整備しておいた。いつでも動かせるぞ?」 ししょ~「運転手、お願いね。」 ヴィズルさん「え?」 ここの階層名は個人的に一番好きだ。何となく物悲しい辺りとか 死を呼ぶ骨龍が4匹くるくる同じところを回っているエリアがある。ちなみに俺は一匹倒そうとしてる閒に気づかれて倍速で近寄られて挙句にそいつが希少種で毎ターン高くなる丸かじりの威力についにhageた 新世界樹では相当キツい階。前半はバビルサに恐れ、後半はFOEどうぶつえんに悩まされ… そしてFJには頼れない。まあ回復地点が25Fの途中にあるけど 最後の方のカマキリゾーンの解法が結局わからずゴリ押した 象「ディーフェンス! ディーフェンス!」熊「ディーフェンス! ディーフェンス!」カマキリ「お兄ちゃんどいて! そいつ殺せない!」 ???「盾? 居ないよ、倒したから」 新でもやっぱりバスはあった 「B25F」とは言うけど、どう考えてもB24Fとの間に数十フロア分の隔たりがあるよね 何故? B24Fから見える外の景色は高層ビルの上階のそれだけどB25Fから見えるのは地上の景色だからだろ 木の実がかなり便利。サイモンも大喜びで木の実をかじる B24と25の間がどれだけ開いてようとそこに行けない以上便宜的に階層を連続させておくしかなかったとマッパーは考えたのだと考えるのだ 24と25の間の階は全て塞がれていたと考えれば何ら問題ない。 あり得そうでなかった描写だがこの階層のボスのイベント中にラッチがチョロチョロと王の足まわりに動き回っていると創造をしていた。 んで、結局カマキリ1、象2のエリアはどうすりゃいいんだ?何度やってもカマキリを左の伐採地点に誘うのが限界なんだが このフロアで窓から外を見てると出られそうな気がしないか? そして、全ての真実に気付く・・・。 ↑↑あれってカマキリだけ叩き潰して強行突破じゃないのか? 基本的にFOEは避けられるものとして配置されてるはずだからここも例外ではないと思うが、象さんでカマキリ妨害して進むのが正解なんだろうか…叩き潰したり逃走とかして強行突破の方が楽だな 象2カマキリは象を盾に左に誘導した後、もう一度象を盾にして次の扉まで駆け抜けるのが正解ルート。が、ぶっちゃけカマキリ倒したほうが早い カマキリの避け方が分からず そのまま倒しまくりますた バスというよりトラックに見えるのは俺だけなのだろうか リメイク元もFOEは叩き潰すのが正義だったからね、しょうがないね マッピングは金鈴でゴリ押したなぁ… この階で出てくるトンボ×2、クモ×2の組み合わせに勝てた試しがない 世界樹の王 新だとラスボス前の最後の部屋にショトカ用の抜け道がある…のは良いのだけど、その一つ手前の部屋にも抜け道がある。そんな近くに要らないからもっと手前の中盤地点に欲しかったのだが…ままならないものである。 旧1のこの階では破滅の花びら2アーマービースト3やアーマービースト5という実にさほどでもない編成が待ち受けている。もはやFOEよりこいつらの奇襲の方が脅威。 コメント ■関連項目(階層) ◇第一階層 B1F 希望に満ちた冒険者が踏み固めた大地 B2F 自然と人間の狭間、緑の光あふれる場所 B3F 幾多の戦士が倒れた絶望の地 B4F 地の底よりあふれる闇の牙 B5F 鋭い咆哮に立ち向かう勇気ある一歩 ◇第二階層 B6F いにしえの妖精たちが踊った森 B7F 痛みを耐える冒険者の道 B8F 飛竜の叫びが響く巣穴 B9F 魔物たちがさ迷う獣の小道 B10F 密林に鎮守する獣の王 ◇第三階層 B11F 青く輝く神秘の森 B12F 女王とその奴隷たちの暮らす宮殿 B13F 剣士が血塗られた手を洗い流した水面 B14F 神の涙に沈んだ樹海 B15F 天空の海を泳ぐ主 ◇第四階層 B16F 流れる砂の上で進む道を求めた場所 B17F 神秘の扉の奥にあった異種との遭遇 B18F 大自然が生み出した地平線の間 B19F 旅人が途方にくれた迷いの森 B20F 信仰を集める黄金の翼 ◇第五階層 B21F 乱立するかつての遺産 B22F 人々が集い歩いた鋼の部屋 B23F 夢が叶い滅びた市街 B24F 心に涙する者と出会った道 B25F 全ての真実に気付いた場所 ◇第六階層 B26F 神の加護すら届かぬ地の底に挑んだ勇者 B27F 生きとし生ける者みなが陥った謀略の間 B28F 流れ出る自身の血に気付き驚いた広場 B29F 己が記憶を疑い絶望に叫んだ者達 B30F 百億の生と千億の死を見つめるもの ■階層ボス 世界樹の王(モンスター)
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こんな風に、岬さんが家を訪ねて来るのは、もう何度目だろう。 来客用のカップを暖めながら、天道樹花はふと思った。 明るい陽の光が差し込むリビングのソファには、先日より綺麗にメイクした岬祐月が座っていた。 「お待たせしました」 暖かい湯気の立つコーヒーを、岬の前に差し出す。 今日も岬はきっと「これも仕事なの」と前置いた後、兄がいなくなった時の様子を訊ねるのだろう。 兄が帰って来るまで、同じ質問が繰り返される。 樹花はそう思っていた。 見覚えのある文字で書かれた一枚の手紙と、それを差し出した岬の悲痛な表情を眼にするまでは…… 「やっぱり、兄はもう帰って来ないんですね」 樹花は手紙を見つめたまま言った。 「やっぱりって、何か思い当たる事があったの?」 「離れている時は、もっと側にいる。今までも、そう言って家を開ける事はありました。だけど、今度は何となく違うと思ってました」 兄である天道総司が帰って来ないと思ったのは、何時からだったろう。 学校の友達がワームだった時?二、三日前自宅の付近にワームが現れた時だったか? 新聞やニュースだけでなく、樹花の周りでもワームによる襲撃は、数え切れないほど起きていた。 その度に樹花を救ったのは、岬や蓮華、ZECTのメンバーであり、兄は助けに来なかった。 兄だけでなく、その友人や、樹花も慕っていたひよりも忽然と姿を消している。 本当は、岬が訪ねて来ることも、何か重大な事件にでも巻き込まれた証拠なのだと思っていた。 兄以外の誰かに助けられ、兄のいないリビングで膝を抱え、時が止まってしまったように長い夜を過ごす。 一人で過ごす寂しい夜が「もう帰っては来ない」と樹花に語りかける。 唯一出来る精一杯の抵抗は、朝、誰もいないリビングに向かい「お兄ちゃん。おっはよう!」と以前と変わらず声を掛ける事だけ…… そうしなければ、兄が二度と帰って来ないと認めることになる気がしたからだった。 だが、岬から見せられた「樹花を頼む」と締めくくられた手紙は、もうそれすらも必要ないと物語っていた。 樹花は必死に続けていた抵抗をやめなければならない。 大好きな兄の死を認める、人生で一番悲しい瞬間。 「なんとなく分かっていたんです。お兄ちゃんがもう帰ってこないのが…… なのに、おはようがやめられなくて、おはようって言い続けてたら、またお兄ちゃんが、おはよう樹花って…… お味噌汁を片手に、キッチンで笑って立っているような気がして……」 大粒の涙が頬を伝う。 一人きりになってから、ずっと我慢していた涙を諦めと言う心が開放した。 「あれ?おかしいな?泣かないって決めてたのに、なんで涙が出るんだろう…… だって、私が泣く時は、いつもお兄ちゃんが側にいてくれたから。 ツラくて悲しくて泣いてるのに、お兄ちゃんがいなかったら……お兄ちゃん、私どうしたらいいかわからないよ」 いつも涙を拭いてくれた兄の暖かい手は無く、零れ落ちた涙は、樹花の細い指先を濡らして行くだけだった。 ∮ 二日後、岬は再び樹花を訪ねた。 丸二日何も口にしていないのは顔を見ればわかる。ふっくらしていた頬が少し小さくなった。 渋る樹花を車に押し込み、Bistro la Salleへ車を走らせた。 岬がSalleへ行くのは、今週に入って三度目になる。一度目は天道の手紙を見せるため、二度目は樹花に会った直後。 一度目は、田所チームへ上からの命令だ。 ZECTは『この手紙は天道が死後届いた物で、別の時空といった記述は何かを示唆する意図の物である。 ワームの協力者等の犯罪組織に拉致され救出不可能な場所におり、生存、帰還の可能性は無い』と言う見解を出した。 矢車と加賀美については、すでにZECT本部からそれぞれもっとも近い間柄の者に連絡が行っている筈だった。 神代剣に関しては彼が死亡している事で、関係者に伝えるか否か、ZECT内で意見が分かれた。 じいやは今、ディスカビル家再興のためZECTに雇われている。 エリアZに程近い一角で衛生班と共に傷ついたZECTの隊員や、ワームによって瓦礫と化した街で、家を追われた人達の食事の世話をしてくれている。 ZECTの関係者である事、岬が自らじいやに伝えると志願したので、田所が上にその意見を通した。 ひよりについては、両親を亡くしているため、弓子が一番肉親に近い者として選ばれた。 そうして、失踪したひよりと天道、神代の関係者に手紙を見せ、事実を知らせるのは岬の仕事となった。 ――辛い仕事になる。 田所にも言われたが、本当にそう実感したのは、通いなれたBistro la Salleの前に立った時だった。 愛する者を失う悲しみ。 岬自身も、痛い程よく分かっている。 実際、風間大介に手紙を見せられた時、人目も憚らず岬は泣いた。 なぜ、剣が死してなお戦わなければならなかったか。 加賀美や天道、ひよりまで、なぜ連れ去られてしまったのか? 彼らは、どれだけ苦しんで逝ったのだろう。 残された者は『なぜ?』という行き場の無い思いを、一生背負い生きなければならない。 だからと言って伝えなければ、彼らは一生待ち続けている。 『いつか帰ってくるかもしれない』と何の根拠もなく…… 意を決して岬はドアを開けた。 閉店前の時間だったため、他に客は見当たらなかったが、弓子は後片付けで一人忙しく働いていた。 以前は、天道に張り付いた蓮華が片付けを手伝っていた。 だが、天道がいない今、ZECTが蓮華を遊ばせておく訳がなく本部に呼び戻された。 弓子を手伝う者はいない。 岬に気が付いた弓子が片付けの手を止め、笑顔で迎えてくれた。 「忙し時間にすみません。一人じゃ大変そうですね。誰かバイト入れたりしないんですか?」 「それも考えたんだけどね~加賀美君。まだ、仕事休んでるんでしょ?普通ならクビよね。 本業も首になって、バイト先も無くなっちゃったら困るかな~なんて思って…… ひよりちゃんも荷物置きっ放しだし。二人とも帰って来る場所がないと可哀相でしょ?」 言葉に詰まる。 いつも二人を温かく見守ってきた弓子には、知らせなければならない。だが、そんな弓子だからこそ、受ける痛みは計り知れない。 一呼吸置き、弓子と向き合った。 「弓子さん。加賀美新と日下部ひよりの行方について、あなたにお伝えしなければならないことがあります」 いつになく真剣な岬に、弓子の表情が曇る。 岬の言葉を、一つ一つかみ締めるように、時折頷きながら弓子は聞いていた。 手紙を受け取り読み終えると長い長い沈黙の後、がっくりと肩を落とした。 「そうか……あの子たち、もう帰って来ないんだね。新しく揃いのエプロン買っちゃったんだけど、どうしようかな……」 厨房の隅にリボンの掛けられた包みを見ながら寂しそうに呟いたのは忘れられない。 そして帰り際に言われた弓子の言葉も…… 「辛い仕事だったね。岬さん。私に教えてくれてありがとう。皆でしっかり樹花ちゃん励ましてあげよう。 加賀美君もひよりちゃんも、きっとそれを願ってると思うから」 とても勇気づけられた一言だった。 影山や風間達が戦ってくれているお陰で身体的な危険はそれ程心配ない。 心配なのは心のケアだ。 (私にそれが出来るの?大したことは出来ない。けれど、一緒に前に進もう) 自問自答を重ね、岬は答えを出した。 二度目は、じいやと共に樹花を元気付ける計画を練るため。 じいやに告げた時、「きっと、ぼっちゃまもそれを望んでいらっしゃるでしょう……」と弓子と同じ答えをくれた。 そして、今日は計画を実行する。 Salleに着くと、店の外まで良い香りがしていた。 昨日からじいやと弓子が、腕によりを掛けて樹花のために用意してくれた食事の香りだ。 戸惑う樹花の手を引き店内に入ると、弓子が明るい声で迎えてくれた。 久しぶりに誰かと食べる食事は、岬にとっても楽しい物だった。 樹花もそうなのか、少しずつだが口に運び会話にも答えてくれる。 弓子も安心したのだろう。さっきまでは厨房からしきりに様子をのぞいていたが、今は姿が見えない。 「じいやさんと弓子さんが、作ってくれたんですよね。じいやさんは?」 「残念だけど仕事なの。じいやさん、剣君の遺志を継いでディスカビル家再興のためにZECTで仕事してるのよ。 仕事と言っても、一般の人たちのために炊き出ししたり隊員の食事を作っていて、材料費を考えたらボランティアのようなものね」 そう言って、デザートの最後の一口を食べ終わった時、弓子が厨房から出てきた。 「樹花ちゃん。これ貰ってくれないかな? ひよりちゃんのために用意してたものなんだけど、樹花ちゃんが使ってくれたら喜ぶと思うの」 弓子は白いエプロンの入った包みとノートを樹花の前に置いた。 一緒に手渡されたノートを、そっと一枚一枚めくる。 ノートに綴られた一品一品からは、ひよりの料理に対する愛情という思いに満ち溢れていた。 一緒にノートをめくる岬の指先へも、その暖かさが伝わってくる。 樹花の表情が和らいでいく。 最後の1ページを読み終えた樹花の目には涙が滲んでいた。 「最後のレシピ、まだ完成してないんですね」 「それは、樹花ちゃんにお願いしようかな?いつか完成させてね。天道君の妹だものきっと出来るわ」 樹花は答えなかった。ただ『天道の妹』その言葉が誇らしいのか、はにかんだ笑顔を見せた。 健気で可愛い。 岬も無意識に微笑んでいた。 (天道君、これね。あなたの守りたかったのは……でも、あなたもこの笑顔に救われていたんじゃない?) 岬はそっと樹花の肩を抱き寄せ言った。 「笑ってなさい。渋谷隕石で両親を亡くした天道君も、あなたの笑顔でどれだけ救われたことでしょうね。だから笑ってなさい」 岬の腕の中で、樹花が大きく頷いた。 食事を終えた樹花は、ひよりのエプロンを着け、後片付けを手伝った。 岬が車を表に着けるとノートとエプロンを大事そうに抱え、弓子にぺこりと頭を下げ助手席に乗り込んだ。 「気をつけて帰ってね。また、いつでもいらっしゃい。待ってるから」 手を振りながら弓子は、今日は綺麗にメイクしてたのね。と一言付けたし岬をからかった。 岬はあわてて否定する。 「あぁ、これですか?メイクなんていらないって言ってるのに、風間大介が無理やりしていったんです? でも、鏡を見て反省しました。泣き腫らしたひどい顔してたんだなぁって。あんな顔してたら、剣君が眠れないでしょうから……」 そう言って髪をかきあげる岬の前より細くなってしまった手首で、銀のブレスが光っていた。 帰りの車中で先に口を開いたのは樹花だった。 「じいやさんのお手伝い、しちゃダメですか?」 「どうして?あそこは危険だし……料理がしたいなら、Salleじゃだめなの?」 どちらも学生である樹花を雇う訳にもいかないが。 真意を訪ねるため岬は問い返した。 「祖母が言ってました。 受けた恩は山盛り一杯返しなさいって。今日私がして貰ったように、 ワームのせいで家族がバラバラになった人たちの力になりたいんです。私、誰かを幸せにする料理を作ってみたい」 お祖母ちゃんが言っていた、久しぶりに聞いた台詞が岬の心に少し痛い。 「わかったわ。お給料の出ないボランティアになるけど、私が非番の時ならいいわよ。ボディガードになるから」 「やったぁ!」 もとよりゼクトに非番などないが、田所なら理解してくれるだろう。 「じゃあ、日曜日に」 「はい!今日は、ありがとうございました」 そう約束を交わし、樹花は車を降りた。 笑顔が戻った事に安堵する岬の頬を、サイドミラーに映った太陽が照らした。 (大丈夫よ、天道君。私があの子の笑顔を守るから) 岬に答えるように太陽が煌いた。 ∮ 日曜日、いつもより早く眼を覚ました樹花が、バタバタと階段を駆け下りてくる。 ひよりのノートをめくりながら簡単な朝食を済ませ、白いエプロンをバックに詰め込む。 燦燦と輝く太陽を仰ぎ(お兄ちゃん。行ってきます!)と心の中で声を掛けた。 眩しい朝の光の中を樹花は走る。 ――美味しい料理を作ろう。 どんな時でも希望が持てるように、辛い人生も変えてしまうぐらい、とびっきりの料理を。 ひよりさんの残してくれたノートと、お兄ちゃんがくれた『愛情』と言うレシピで……
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あなたなら・・・ どれに投票しますか? まずははじめに 選択肢 投票 タイムシェアを知っている-はい (69) タイムシェアを知っている-いいえ (0) 選択肢 投票 タイムシェアの購入について-買いたい (44) タイムシェアの購入について-買わない (10) 買うとしたら 選択肢 投票 私はすでにオーナーです (41) 私はオーナーではない (25) 選択肢 投票 ホームリゾートはハワイ (49) ホームリゾートはハワイ以外 (11) 選択肢 投票 購入基準はオーナーシップのプログラムの内容 (23) 購入基準は管理費 (5) 購入基準はロケーション (13) 購入基準はお部屋や施設の充実度 (17) 購入基準はセールスの対応 (1) 購入基準は友人や親兄弟が持ってるから又は勧められて (1) 選択肢 投票 1week (42) 2week (5) 3week (0) 4week (2) それ以上 (1) 選択肢 投票 正規購入 (37) リセール (7) ほしい物件が見つかればどちらでも良い (6) 選択肢 投票 Fairfild Rezorts (2) Hilton Grand Vacation Club (21) Marriott Vacation Club (10) Westin Vacation Ownership (10) その他 (3) 最後に世代は? 選択肢 投票 ユース (5) ミドル (39) シニア (7) リタイア (0) MaHaLo Next
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89 :名無したんはエロカワイイ[sage]:2008/02/22(金) 18 21 10 ID z1IwqU0t0 87 そもそも投票できないという悲劇、か… ま、いいか! そういえば、何で英雄外伝の元就様の染衣装って白になったんだろう… 初めて見たとき、白は意外すぎて目ん玉とびでた 90 :名無したんはエロカワイイ[sage]:2008/02/22(金) 18 35 56 ID 1a4/3bkFO 染衣装の話題になると一部の腐が狂喜と妄想を繰り広げるので困る 白衣装の元就様は神々しくて美しいからいいのだけど。 91 :名無したんはエロカワイイ[sage]:2008/02/22(金) 19 00 14 ID 14mlMVdO0 1.にちりん浴びすぎて脱色したオクラ 2.にちりんのかがやきを存分に主張できるように白&天道虫 3.暗いイメージがあるのでせめて明るい色で どうでもいいけど、3ではぜひ兜は脱げるようにしといてくらさい 第2衣装に兜にあわねぇよぉおお 92 :名無したんはエロカワイイ[sage]:2008/02/22(金) 19 01 13 ID FbvOTX870 染め衣装はモヤシだと、あれ窓の外が明r 93 :名無したんはエロカワイイ[sage]:2008/02/22(金) 19 13 26 ID UAlq2Diy0 4.洗濯に失敗 94 :名無したんはエロカワイイ[sage]:2008/02/22(金) 19 15 22 ID /u2U9CgHO 88 ストーリーの人気投票だよ 元就様には外伝ストーリー無かったからなあ… 95 :名無したんはエロカワイイ[sage]:2008/02/22(金) 19 24 41 ID Yb6C7INBO 93 何そのうっかりさんな元就様ww 色落ちしてふんどしとかも緑色になってんのかね 96 :名無したんはエロカワイイ[sage]:2008/02/22(金) 19 29 03 ID GSCI4V6K0 解ったぞ! 緑だと勝手に光合成をしてしまって、 呼吸を忘れてしまうから それを防ぐために脱色して・・・ あれ?外が明るいn(ry